株式投資の本質を理解しましょう

いきなりですが、皆さんは株式投資をしたことがございますか。

株式投資をしたことがある方の多くは、貯金じゃ増えないから、貯蓄から投資へと言われて(金融庁の取り組みですね)、少しぐらいリスクを取ってみようと思いながら、何かしらの株式を売買されたのではないでしょうか。しかし最終的に資産を増やすことが出来た方は、残念ながらさほど多くはないのかもしれません。(筆者も昔痛い目に遭いました。)

そして株式投資をしたことがない方から出る言葉は、怖いから、わからないから、損をするから、といった否定的なものがほとんどです。特にバブル経済の崩壊やリーマンショックと言った暴落を目の当たりにしていたら、それこそ手を出しにくいのでしょう。

では今日は、そもそも株式投資とはなんなのか、その本質の部分をみてみます。

例えば、トヨタ自動車がこれからもいい会社であり続けると思い、我々の資金を提供する(株を買う)ことにしたとしましょう。

まず株を購入できた時点で、我々はトヨタ自動車の株主の一員です。所謂共同オーナーの一人というわけです!

資金を会社に提供しオーナーにはなれました。ではこのお金を使って事業をするわけですが、私は自動車の事はよくわかりませんし、作り方も売り方もわからないです。そこで、自分より自動車業界のことをよく知っていて、経営に長けた人に任せよう、ということになるわけです。(株主総会で任命したり認証したりします。以前日産自動車は、ルノーからゴーン氏を連れてきて、経営を委任したわけです。)

すると役員たちはもっといい会社にしよう、もっといい自動車を作ろうと我々が出資したお金を使って頑張ります。もしかしたら役員報酬をたくさん貰いたいから、という打算かもしれませんが、たくさん貰うためには、当然それなりの結果を出すことになるので、それはそれでお互いの利害が一致することになります。

そして会社が利益を上げれば、株主の我々は「配当」という形で利益を受け取ることが出来るわけです。利益を出せなければもらえません。

もし役員による経営手腕がすごいとなれば、上がった利益を配当でもらわず、更に事業拡大・経営拡大に使ってもらい、より大きな将来の利益を目指すのも一つの方法です。新規事業や事業拡大は、会社の価値を押し上げることになり、株価に反映されれば、株価の値上がり益(キャピタルゲイン)という形で利益が得られます。

株式投資は、もちろん損することもあります。例えば、リコール問題が発生すると、損害賠償が発生し、修理等の余分なコストがかかり、利益を圧迫しますから、もらえる配当が減るかもしれません。株価が反応して下がれば、キャピタルロスが発生します。これらは株式投資のリスクの部分と言えます。

では実際株式投資でどれぐらいの収益が期待できるのか。

出資する側は、最悪紙切れになるかもしれない(会社が破綻すると株価はゼロになります)ぐらいのリスクを取ることになりますから、やはりそれなりの収益が期待できなければ、誰も出資しないですよね。

ジェレミー・シーゲル著
「株式投資」日経BP社

実際過去200年の統計によると、出資する側が得る収益(株式投資のリターン)は、平均すると実質で7%ぐらいだそうです。(おすすめ図書:ジェレミー・シーゲルの「株式投資」)

結局のところ、自分が株式投資という形で出資すれば、出資を受けた会社がそのお金を使ってモノをつくり、そのモノが人々の生活を豊かにします。関係者、果ては人類すべてが幸せになれる可能性があるのが株式投資なのです。

このようなに本質を理解できれば、株式投資は決してギャンブルではないし、危ないものでもないですし、一つの社会貢献の方法と捉えることが出来るのではないでしょうか。

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