債券を理解しましょう

債券とは、国や企業などの発行体が、投資家から資金を借り入れるために発行する有価証券のことです。国に貸せば国債、会社であれば社債と言った具合です。

そして債券には満期が定められており、満期となる償還日には、額面金額が投資家に払い戻されます。10年満期の債券であれば、10年後の満期時に元本と約束の金利を受け取ります。

お金を借りた企業は、もし満期時に支払いができないと「債務不履行」となり、それは最悪のシナリオ、企業破綻を意味しますから、通常お金を借りた企業は、コストカットしたり、役員報酬を削ったりしてでも返そうとするわけです。通常企業はその最悪のシナリオを避けますから、従って債券は、わりと安全な運用と言うことができるかと思います。

そして債券以外にも様々な運用がある中でも、各段安全な運用と言われるのが、実は「(自国通貨建ての)国債」です。これは銀行預金よりも、安全と言えます。

まず信用リスクを比較しましょう。これは簡単です。銀行と国のどちらがより約束を守ってくれそうか、ということです。銀行預金を保証するのは、あくまで一銀行です。現在の日本に関して言えば、ペイオフ制度があり、1000万円までは政府が保証してくれます。(実のところ預金者は、そのペイオフの費用(預金保険機構に対して支払う保険料)を間接的に負担しています)しかし1000万円を超える分に対しては、預金者のリスクとなっているわけです。

一方国債の保証をするのは、その国の政府です。もしもし約束の期日に返済ができないと債務不履行となり、それはその国の破綻を意味します。ですから政府がその選択肢を選ぶ可能性は、、、限りなく低いと言えます。また最終的には、政府はお金を刷ってしまえばいくらでも用意できますので(実際するかどうかは別問題ですが)債務不履行の可能性はほぼゼロです。

以上のことから、国債が最も安全な運用と言われる所以です。

そして保険商品の多くは、国債や社債といった様々な債券で運用しています。保険会社は、契約者から保険料という名目でお金を預かり、契約者の代わりに運用し、そして将来必ず支払いが発生します。必ず支払いが発生するのですから、返せないかもしれないようなギャンブル的な運用は保険会社の運用には不向きであり、運用先の選択として債券が採用されます。

最近新型コロナの影響で世界中の債券の金利が下がっています。米国債10年物も0.6%程度となっておりますが、半年前は2%以上ありました。ただ長期的な統計によれば、お金を貸す運用である債券の利回りは、実質ベースで3%程度、名目では5%程度となっています。従って長期においては、インフレを上回る資産運用の手段としては是非知っておきたいですね。

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