為替リスクとは
為替リスクとは、外貨建ての資産を購入・保有している場合に、為替相場の変動によりその価値が変動するリスクのことです。リスクとは、価格が上がるか下がるかわからない不確実性を指します。
例えば、US$1.00=100円の時に100円で1ドルを購入し、その後US$1.00=110円になった時に1ドルを日本円に両替すると、110円が手元に戻ってきます。この差額の10円が「為替差益」です。つまり、外貨建てで資産運用をする場合、購入時よりも売却時に為替相場が円安になると為替差益を得ることができます。
逆に、US$1.00=90円になった時に1ドルを日本円に戻すと、90円しか手元に戻ってきません。この損失の10円が「為替差損」です。
為替リスクとは、円安や円高になることで保有する外貨建て資産の将来の価値が現時点では不確実であることを意味します。
為替リスクを軽減する方法
外貨建て資産を保有する際には必ず為替リスクが伴いますが、ではどのようにして為替リスクを軽減すればよいのでしょうか。
一つの方法として、両替するタイミングを分散することが挙げられます。
例えば、外貨建ての保険を契約する際に、保険料を一括で支払うのではなく、5年払いや10年払いに分割することで、為替リスクを数回に分けて平均化することができます。
例:10万ドルの外貨建て保険を契約
①保険料一時払いを選択した場合
1ドル=110円 ⇒ 10万ドルx110円=1100万円の保険料支払い
☛ 契約後に円高になった場合は少し残念に感じるかもしれません。(逆に円安が進むとその時契約しておいてよかったと思うことになります。)
②保険料5年分割払いを選択した場合
- 1年目(1ドル=110円) ⇒ 2万ドルx110円=220万円
- 2年目(1ドル=115円) ⇒ 2万ドルx115円=230万円
- 3年目(1ドル=110円) ⇒ 2万ドルx110円=220万円
- 4年目(1ドル=100円) ⇒ 2万ドルx100円=200万円
- 5年目(1ドル=90円) ⇒ 2万ドルx90円=180万円
支払い保険料の合計は1050万円
☛ 5回の平均値で支払うことになります。この場合、平均為替1米ドル=105円で両替することができました。
他には、毎月保険料を支払うような積立型金融商品であれば、数百回に分けて支払うため、為替リスクを大幅に軽減することができます。
また、受取時も同様に、外貨建ての満期金を一度に全て日本円に戻すのではなく、数回に分けて日本円に戻すことで、為替リスクを分散し、平均値を享受することができます。
結局、将来の為替は予測できない
最も円高時に日本円を米ドルに両替し、最も円安時に日本円に戻すことがタイミングよくできれば高い収益を得ることができますが、専門家であっても為替の変動を予測するのは難しいです。したがって、外貨建ての資産を保有する際は、短期的な売買で利益を追求したり、為替差損・為替差益で一喜一憂するのは避けるべきです。
あくまでも、すぐに使う予定がない余裕資金で、長期的な視点を持って運用するようにしましょう。資産運用に関するご相談は、お気軽に下記よりご連絡ください。