資産運用の王道
今日は投資の格言を一つご紹介します。
『卵は一つの籠(かご)に盛るな』
とても有名な格言で、全く投資をされてない方でも一度ぐらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。欧米から伝わった格言で、英語では"Don’t put all your eggs in one basket." です。
この格言のポイントは「分散」することの重要性です。一つの籠に卵を全部入れておいて、もしその籠を落としてしまったら、卵が全部割れてしまうかもしれません。しかし複数の籠に分けておけば、落とした籠の卵は割れても、他の籠の卵は割れずに済みます。
元来株式投資の相場格言で、1銘柄だけに集中して投資をしていると、値下がりに見舞われた時に大きな損失になるので、リスクを分散するために、複数の銘柄に分けておくことを勧めていました。ただこれは株式に限らず様々なものに応用できます。
資産運用で株式だけでなく、債券にも分散投資していたら如何でしょう。株と債券は、短期的には正相関になることもございますが、長期的には逆相関の関係です。両方保有することでどのようなマーケットでも、必ずどちらかで収益を得ることができます。
更に分散範囲を拡大し、日本株だけでなく、アジア株、アメリカ株、中国株、ヨーロッパ株と様々な国々に分散投資しておけば、日本株で収益を得られなくても、他国で収益が出せることもあるでしょう。株式以外に、不動産にも分散しておけば、これも立派なリスク分散になり得ます。
預貯金も、日本円と台湾ドルの両方を保有しておけば、台湾ドル-円の為替の影響は小さくなります。(円が下がれば台湾ドルが上がり、台湾ドルが上がれば円が下がるので、どちらに振れても全体では変わらなくなります。)台湾ドルだけでなく、米ドル、ユーロや中国元といった通貨も分散保有できれば、資産全体の為替リスクが低減できます。
リスク分散は人生も一緒
リスク分散の考え方は、資産運用に限らず、我々の普段の生活にも当てはめることができそうです。
- 複数の子供を産む。(昔は病気で亡くなる子供も多かったため、永続的な子孫繁栄のために子だくさんだったそうです)
- 子供を外国に留学・居住させる。(中国政府を信用しない富裕層は、カントリーリスクに備え、子供をアメリカ、カナダ、イギリスなどに住ませるそうです)
- 主要ビジネス以外の事業をする。(事業リスクの分散)
- 資格を取る。(サラリーマンのリストラ対策)
- 副業をする。(収入の分散)
など挙げればきりがないですね。今回の新型コロナは一つの教訓となりました。リスクに対応できず多大なダメージを受けた人・企業も多かった一方、この逆境で売り上げを伸ばし、収益を増やした企業があるのも事実です。どれだけ不測の事態、というリスクに備えていたかどうかですね。まずはできることから始めてみましょう。