年金だけで足りますか
台湾駐在中の皆様は、数年の駐在任期を終えた後、日本に帰国し(もしくは他の国へ異動し)、60歳・65歳になると定年退職し、いわゆる年金生活に突入します。自営業の方は定年退職はございませんが、いつか引退をすることとなります。
いつかは迎える年金生活ですが、これが実は問題です。皆さまは、年金生活に入った後、国から貰う年金だけで暮らしていける自信が本当にございますか。やりたいことやれるだけの十分な年金をもらえると思いますか。
人生100歳と言われるようになった昨今では、65歳と言ってもまだまだ身体は元気です。年金の足しになるよう、再就職口を探そうとされる方もいらっしゃると思います。そこで試しに、「65歳以上 求人」で検索してみました。すると出てくる求人先は、
・警備員
・ホームヘルパー
・ビル管理人
・駐車場管理人
・ビル清掃
といった仕事がたくさん出てまいりました。
シニア再就職専門のウェブサイトもかなりあり、日本が迎えております高齢化社会において、シニア向けの再就職の門戸はけっこう開けているのかなと、検索をしてみて思いました。
これらの仕事は、社会に対して意義ある仕事であることに間違いありません。しかし皆さまが長年職場で培ってきた能力や技術をそのまま活かして働ける場所・貢献できる場所が、シニア層向けに一体どれぐらいの枠があるのかというと、正直とても少ないのが現状です。
そうなると、自分の能力を活かしきれないのを承知で再就職をし収入を確保するのか、働かずに何かしらの方法で収入を確保することになります。
働かずに得られる収入のことを「不労所得」と言います。読んで字のごとく、勤労しなくても得られる収入のことです。この不労所得に対する日本人のイメージは、あまり肯定的ではないことが多いかもしれません。「働かざるもの食うべからず」という慣用句のせいかもしれません。
この慣用句は、もともとは新約聖書にあった、「働こうとしない者は、食べることもしてはならない」という一節が、「働かざるもの食うべからず」という表現で知られるようになったそうです。でもこの「働こうとしない者」は、「働けるのに働こうとしない者」を指しており、病気や障害、または非自発的失業により「働きたくても働けない人」のことではないとされています。
我々人間は、死ぬ直前まで働き続けることは通常なかなか難しいです。会社勤務でしたら定年がありますし、代表経営者であっても、いつか体力・気力の限界により、働けなくなります。いつか働けなくなるため、その後の人生を支えるために、働かなくても入ってくる収入=不労所得は、我々全員が必要なものです。その不労所得の代表がまさに「年金」です。現役は勤労収入の一部を社会保険として納め、お年寄りを支える。そして自分が引退したら、その時の現役に支えてもらう。この一方通行の関係が、現在日本が採用しております賦課方式です。賦課方式は、人口が増えている間は機能しますが、人口減少に転ずると、年金保険を払う人が減り、貰いたい人が増えますので、賦課方式は機能しなくなります。
年金だけで足りないことが想定される場合、年金以外の所得を自分自身で確保しておかなければ、満足のいく老後を送ることは難しくなります。少し前にメディアが「年金不足2000年問題」を取り上げておりましたが、金額が正しいかどうかは別としても、これからの日本人が直面する(している)大きな問題であることには変わりありません。
では、不労所得を準備しようと思いますが、その方法はさまざまです。
1.不動産を保有し、家賃収入を得る。
ポイント: 不動産投資は、購入の際ある程度まとまった資金が必要となります。不動産投資に関する専門知識も求められます。そして家賃収入は、借主がいてはじめて受け取れますので、借主がいない間は、収入どころか維持費や税金が出ていきます。また不動産を所有することは、地震や水害などのリスクも考慮する必要がございます。素人が優良物件を保有するのは簡単ではありません。
2.企業に投資(株式投資)をし、毎年配当をもらう。
ポイント: 株式投資は、企業の業績や配当性向により収益が変化しますので、投資する企業選別がとても大事になります。そして生活の足しにするほどの配当を貰うとなると、それなりの投資元本が必要となります。(仮に5%の年間配当の場合、5000万円投資して250万円の配当です。)また株式投資は、企業が破綻すると投資元本を失うリスクがあることも忘れてはいけません。
3.毎月子どもから仕送りをもらう。
ポイント: どのぐらいの仕送りが貰えるかは、あなたのこれまでの教育によるところが大きいかもしれません。(笑) いずれにせよ昨今では、お給料もなかなか上がらないデフレ時代ですので、親に十分な仕送りをする余裕がある家庭がどれほどあるでしょうか。
上記は不労所得の例ではございますが、1にしても2にしても、それなりの資金と専門知識がないと難しいことがお分かりいただけたかと思います。
不労所得を確実に作るお勧めの方法
色々な資産形成の方法が世の中にはございますが、私たちがお勧めする不労所得を確実に作る方法は、
「【保険】を活用した資産運用」
です。
「保険」と言えば、
・自分が亡くなった時の、家族のための保障
・病気になったり、事故に遭った時の保障
など、万が一に備えて手配するもの、というイメージが強いと思います。確かに保険会社の役割は、契約者が万が一の際、契約者の抱えるお金の問題を軽減することです。その将来発生しうる支払い時のために、保険会社は預かった保険料を、ただ金庫に保管しておくわけではございません。預かった保険料を「運用」しながら、従業員のお給料、事務コスト、保険コスト、テナント料、宣伝広告費などの費用を賄い、更に利益を株主に還元しながら、最終的に必要な保障を契約者(時に指定受取人)に支払います。既にお気づきだと思いますが、保険会社は、必ず資金を「運用」しています。この運用がよければ、貰いも大きいし、運用がわるければ小さくなります。この貰えるものが、日本と香港の保険会社では非常に大きな差があるのです。
安全度が高いのが保険会社、その運用は?
保険会社の主な役割は、契約者が有事の時に、お金の問題を解決することです。その大役を担った保険会社が支払いができないとなれば、それは国家としても大きな問題となります。ですので、通常保険会社は、非常に厳格な法律と当局によって財務状況を常に監督されるのが一般的です。
例えば香港の保険会社は、ソルベンシー比率(預かる保険契約に対する支払い余力)を常に2倍以上に保つことを、法律によって義務化されております。そして定期チェックで少しでも下回るようなことがあれば、保険業監管局(Insurance Authorities)から警告が出されます。実際は5~10倍ほどの十分余裕をもった資産を保有している保険会社がほとんどです。
保険会社は常に国の監督付きですので、大切なお金を預ける側の立場としては、大きな安心材料です。
そして保険会社は、契約者から保険料を預かり運用するわけですが、将来いずれかのタイミングで必ず支払いが発生します。例えば終身保険であれば、被保険者が死亡時に死亡保険金を支払い、養老保険であれば満期時に満期金を支払います。従って保険会社は、運用に失敗して払えなくなったでは許されません。もし運用の失敗によって保険会社が破綻に追い込まれれば、多くの既契約者に多大な被害が及び、更に社会不安も誘発することとなるでしょう。
保険会社破綻は、国家としても当局としても絶対に避けたいことですし、保険会社もそうならないよう、社会的責任を果たすために、確実な運用をしています。では実際どのような運用をしているかと言いますと、少し長くなってまいりましたので、次回に続きます。