台湾赴任が決まったら、NISA/iDeCoに代わる海外で検討すべき資産運用とは!?!?

台湾駐在が決まると、引っ越しや市役所の手続きなどと合わせて、現在進行中の資産運用をどうするかと言う問題に直面します。その代表格がNISAとiDeCoです。ようやく資産運用ツールとして利用しやすくなってきたNISAとiDeCoですが、結論から申し上げますと、海外赴任される方には継続が難しいのが現状です。

海外在住者が続けたくても続けにくいNISAとiDeCo

まずNISAは、海外赴任期間が5年以内でしたらNISA口座をそのまま維持することができます。ただし毎月の積立はできません。そしてNISA口座を保有する証券会社に、転出および口座維持の申請を済ませる必要があります。口座を維持できるのは最長で5年で、5年を経過する年の12月末日までに帰国届ができないと、口座は自動的に廃止されますので注意ください。

【NISAを続ける場合】
・毎月の積立は付加
・証券会社に要届出
・5年以内に帰国する必要がある

次にiDeCoですが、勤務先で日本の厚生年金に加入した状態が継続される場合は、そのまま運用することができます。しかし、海外企業へ雇用に変わる場合は、掛け金の拠出ができなくなり、また口座維持手数料として毎月105円がかかります。

【iDeCoを続ける場合】
・毎月の積立不可
・毎月の手数料がかかる
・日本の厚生年金を継続する場合に限る

以上のことから、海外居住者がNISAもiDeCoを続けるメリットはほとんどないため、多くの方が解約してから海外駐在されるのが現状です。新NISAについても、台湾赴任者や海外居住日本人には、現状メリットはあまりなさそうです。日本の金融は、まだまだ日本居住者を前提としているため、このような問題が発生してしまいます。

台湾で始める資産運用

では台湾在住中の資産運用はどうしたらよいのでしょうか。駐在期間中なにもしないで過ごすのは時間が勿体ないですよね。本日は、可能な選択肢を3つご紹介いたします。

台湾の証券会社の証券口座

中国語に自身があり、ご自身で運用先を選定出来る方は、証券口座を介した運用が選択できます。ただし台湾の金融機関は、基本言語は中国語です。英語はあまり通じません。台湾は親日国なので、日本語を話すスタッフがたまに居ることもありますが、詳細を丁寧に説明できるレベルかどうかは正直微妙です。

注意点は、台湾の金融機関も日本同様、基本台湾在住者向けサービスだということです。ですから日本に帰国する際は、証券口座を閉鎖する必要がございます。ですから永住するぐらいの長期滞在が前提でないと利用しにくいのが現状です。

オフショア証券会社の証券口座

証券口座で運用を希望される場合は、台湾ローカル証券会社よりも、海外居住者向けにサービスを展開している、オフショア金融の証券会社が宜しいかと思います。オフショアとは、一言で言うなら金融先進地域のことで、アジアですと、香港、シンガポール、ドバイがオフショア地域と呼ばれます。オフショアには、外国人を対象にサービスを提供する金融機関が多く存在し、現地語の他に英語が通じます。

例えば、シンガポールのフィリップ証券は、台湾を含む海外居住者に門戸を開放しております。(フィリップ証券のホームページはこちら)フィリップ証券は、英語だけでなく日本語のサポートもございます。

フィリップ証券をはじめ、オフショア証券口座であれば、日本帰国後もそのまま継続利用できます。日本帰国に合わせて、希望しないタイミングで株式売却、といったことも避けられますので、安心して運用ができるのではないでしょうか。

香港の米ドル建て貯蓄型保険

台湾在住の日本人に最もお勧めできる資産運用の一つが、香港の「米ドル建て貯蓄型保険」です。「米ドル建て貯蓄型保険」は台湾滞在中を含む、海外居住者が契約でき、日本帰国後やその他の国に異動した後も解約せずに継続することができます。

香港の「米ドル建て貯蓄型保険」は保険でありながら、その性質は運用商品そのものです。しかし契約者は一切運用に関与しません。(保険会社に全て一任です)運用先は、株式と債券に分散投資をしています。運用次第で将来の受取金額は変動します。また短期で解約となると元本を下回る可能性がありますが、一定期間持ち続ければ元本は確保できる仕組みになっています。想定年利回りは、長期で5%前後です。

解約はいつでもでき、一部だけ解約することもできます。入用の際に必要分だけ解約し、残りをそのまま運用したり、毎年年金補填分を取り崩す、といった活用も自由自在です。

税金に関しても、香港の「米ドル建て貯蓄型保険」は保険の仕組みを利用しているため、運用中の利益は申告する必要がなく、解約時に申告するだけで済みます。売却益をその都度申告する必要がある証券口座での株式運用に比べると格段に楽です。

「香港の米ドル建て貯蓄型保険」は、株式投資のような大きなリターンは期待できないかもしれませんが、長期運用で5%前後は安定的に見込めますので、インフレに負けない資産形成が期待できるのが魅力です。

まとめ

海外で資産運用には、今後の赴任期間、言葉の問題、取れる運用リスクなどによって最適なツールは変わってくるかと思います。個人的には香港の「米ドル建て貯蓄型保険」は長期運用が前提の方にはおすすめですが、あなたの目的に最適な運用を是非ご検討ください。資産運用に関するご相談・ご質問はいつでもお気軽にお問い合わせください。

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