RL360°とは
RL360とは、マン島に籍を置く生命保険会社です。前身はロイヤルロンドン360°で、イギリス大手保険会社Royal London Group(ロイヤルロンドングループ)傘下の生命保険会社でした。2013年Royal London Groupは、ロイヤルロンドン360°の株式を、金融投資会社Vitruvian Partners LLPに売却しました。その際社名もRL360°に変更し、現在に至っております。同社を「ロイヤルロンドン」と今でも呼ぶ方がいらっしゃいますが、正確にはRL360°(アールエルスリーシックスティ)です。
RL360°の信用格付けは、Moody’sでA2を取得しています。
このRL360°の本社はマン島にございます。マン島と聞くと日本の方には、オートバイのTTレースになじみがある方も多いかもしれません。マン島は、イギリス本土とアイルランドの間に位置する、人口84,000人の小さな島で、自治権を持った英国王室属領国です。元々はイギリス人富裕層の資産リスクの分散・回避先として発展してきましたが、現在は非常に安定した政治・経済を盾に、ヨーロッパのオフショア金融センターとしての地位を確立しています。
マン島とは
マン島は、【年金保険】に特化したオフショアとして有名な地域です。そしてマン島最大の特徴は、政府が法律によって契約者の資産を守る「契約者保護制度(Policyholder Protection Scheme)」を1991年より導入している点です。
「FINANCIAL SUPERVISION ACT 1988 LIFE ASSURANCE (COMPENSATION OF POLICYHOLDERS) REGULATIONS 1991」という法律の下、保険会社が不正を行い、契約者への保険金支払いが不能となった場合、政府が最大90%まで保証する制度です。(詳しくはこちら)
未だこの保護制度が施行されたことは一度もございませんが(そもそも不正を行いそうな保険会社はマン島に籍をおけない)、最悪の場合でも、資産の一定分はマン島によって保証されるので、投資先としては安心材料になるかと思います。
一般的に金融が発展した地域のことをオフショア地域と呼びますが、オフショア地域にもそれぞれ特徴がございます。例えばマン島であれば、上記の保護制度を特徴とした年金保険に強いオフショア地域ですし、ミクロネシアであればキャプティブ、バミューダであれば大型生命保険、ケイマン諸島であればヘッジファンド、といった具合に、法律や制度により得手不得手は様々です。オフショアの違いについては、また別の機会に取り上げたいと思います。次回はRL360°が提供する、日本人が契約可能な年金商品について考察いたします。